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灰とダイヤモンドのmimicotのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
4.2
言わずと知れた傑作を、やっと観ることが出来ました。初アンジェイ・ワイダ監督作品です。

舞台は、1945年ドイツが降伏を告げる5月8日、9日のポーランド。
ソ連の息がかかったポーランド共産党の幹部を、暗殺すべく抵抗組織に属したひとりの若者。彼の心の葛藤を描いた作品。

1958年の作品とは思えないスタイリッシュさ。
計算し尽くされたカメラアングルがカッコいい。
そして悲しき暗殺者、マチェックの魅力的な存在感。
色褪せないどころか新鮮だった。

お調子者に見えたマチェックが、1人の女性と出会い心揺さぶられ、初めて自分の人生を見つめる。使命感と恋と良心と大義の狭間で揺れる彼に、暗殺なんてやめて幸せになってほしいと願ってしまう。。

「灰とダイヤモンド」に関わる、チプリアン・カミュ・ ノルヴィッドの詩(「屋根裏にて」)の一節から取られた詩を語るシーンの芸術性、
夜空に散りゆく花火が、水たまりに花を咲かせるように映るシーンが好き。

衝撃的かつ印象的なラストシーンは、忘れることはなさそうです。
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