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灰とダイヤモンドのchiyoのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.5
2022/11/30
再見、抵抗三部作の3作目。1945年5月、ドイツ降伏直後のポーランド。対外的な戦争は終わっても、国内の政治的な諍いは治まらない。そして、若くして抵抗組織に入り、戦後も地下運動を続けるマチェク。その境遇を甘んじて受けていることで、いかに彼の青春が抵抗運動に注がれていたかが分かる。が、彼はホテルのバーの給仕・クリスティーナに恋をする。初めて心から普通の生活を望むものの、それが許されない現実。ラストのマチェクが印象的で、町外れのゴミ置き場で生涯を終える姿が遣る瀬無い限り。また、まるで現実から逃避するかのように、朝になっても踊り続ける戦勝祝賀会の参加者も怖い。市長の秘書の醜態には笑ってしまったけれど、あんなに自制を無くすほどに普段は抑圧されているのかな、とも思った。逆さ吊りのキリスト等、記憶に残るシーンが多め。
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