つのつの

灰とダイヤモンドのつのつののレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
3.7
身寄りもなく仲間も失ったレジスタンス青年の最後の1日。
決して大きな出来事は起きないけれど全編に渡って「滅びの予感」が漂う。
それを端的に示す薄ぼんやりとした照明がカッコ良怖い。
そんな彼がまだ純粋で楽しかった頃を思い出す、引いてはその頃にはもう戻れずその頃の友はもういないことを思うバーのシーンが素晴らしい。
あるいは安ホテルのウエイトレスと一夜限りの恋愛を結ぶのも、彼が必死に孤独を埋めようと欲した故の行動ならば、思わず二人でダンスをする瞬間にもホロリときてしまう。
そんな彼と対比されるかのように出てくる市長秘書のエピソードも切なかった。
彼はマチェクとは違い完全に前途洋々だったはずなのに、、、。


サングラスかけてマシンガン持った男がドカンと映るポスターだけ見るとワイルドなアクションものにも見えますが、中身は革命の夢に敗れていく男の哀れな青春を描く作品でした。
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