本当にクレイジーな映画だった。
何よりこれが卒業製作という衝撃!
『カメラを止めるな!』とはまた違った盛り上がり方をしたカルト的人気作をこの度鑑賞致しました。
日本版『マッドマックス』とも評されただけあり、近未来かつサイバーパンクな世界観で、暴走族たちの内輪揉めをスタイリッシュに描いています。ネーミングセンスが一昔前な暴走族集団"魔慕呂死"の一員であり、新体制に反旗を翻す特攻隊長が主人公、つまり主人公らしからぬ荒ぶった性格の暴走族員に焦点を充てた内容になっています。非現実的な内容ながら、人間の若くて未熟な部分を浮き彫りにするスタイルはかなり現実的な要素です。
それぞれのキャラが立っていて、時代の変化に合わせるもの、そして時代が変化しても変わらぬ者の二者の対立という構図が、多少古臭くてもストレートでわかりやすい。
台詞が聞き取りづらく、ジャケット写真の姿はクライマックスのみなので、テンション狂い上げには時間がかかる流れであったため、製作に困難を極めたのも頷けます。
期待しすぎたのもありますが、とにかくこれが卒業製作であるということが1番の衝撃。面白さに予算など関係なく、こんな形で製作された作品も広く世に放たれていたことを考えると、今の日本映画はかなり閉鎖的な状況にあるんじゃないかと少し残念です。