TANS

東京暮色のTANSのレビュー・感想・評価

東京暮色(1957年製作の映画)
3.5
暗い。小津映画はこれで5作目くらいですが、ダントツで暗い。そしてこれは野暮と思いつつ、やはり、長い。あと20分は短くしなければ。

とはいえ、同じ場所は執拗なほど同じ構図で撮られ、シークエンスとシークエンスをつなぐ風景のショットなどもいちいち美しく、小津映画と聞いて人が思い浮かべるエッセンスは怖いくらい、ある意味では機械的に徹底されている。

主題は姉妹の抵抗だ。抵抗する女たちは、とにかく黙る。母親との永遠の別れ。お膳立てされた予定調和に対する無言の抵抗。とても静かな映画だ。かと思いきや、雀荘や中華料理店、バー、喫茶店、パチンコ屋などの喧噪とも滑らかにつながっている。
TANS

TANS