前作『早春』に続き、中流家庭のセックス・スキャンダルをテーマとした暗く重い問題作。予期せぬ妊娠・母との再会が重なって終始沈んだ顔の有馬稲子がとにかく悲痛。
『エデンの東』の翻案とされている本作です…
東京物語や晩春などで知られる小津安二郎の作品。次女と暮らしている銀行勤めの男の元に長女が嫁ぎ先から帰って来る話。
今作は最もダークな小津映画の1つだそうですが、先日鑑賞した秋日和よりも好みな作品で…
なんという哀しい物語… 。
こんな哀しすぎる物語を、本当に小津+野田高梧コンビが書いたのだろうか?… と疑ってしまうほど、哀しい。
しかしながら、全編に流れる齋藤高順によるテーマソングはなんとも言…
笠も原節子も有馬稲子も、
観客が心の中で叫ぶ言葉を、するするかわして、当たり障りない言葉ばかり喋る。
それがまずたまらない。
各々が、何かの事件の後に、ひとりうつむく。
その事件に対してうつむくん…
母に対してアキの「私、お父さんの子じゃないよね?」あそこ、ほんとに刺さる。
事実確認じゃなくて願望。
父という存在が暴力的でも悪人でもないのに、ただ世界そのものみたいに動かない。
謝らないし、説…
暮色蒼然たる東京の風景に、一切紛れることのない暗鬱な心。
家族愛を扱うことの多い小津作品の中では、まさに異色と言える鬱屈とした物語。
身近な人間のエゴに振り回される有馬稲子は、二時間超ある劇中で…
松竹株式会社