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東京暮色のeknのネタバレレビュー・内容・結末

東京暮色(1957年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

事情を詮索する権利が当然あるかのように振る舞える“家族”という関係性の一面に生理的嫌悪感を抱く人間からすると地獄。廊下を通る娘を父親が居間から何度も呼び止めるシーンはもはや暴力的。
“母親らしさ”を演出する「質問攻め」の初対面のシーンと、長女が見送りに来るか期待する北海道行きの列車のシーンがキツい。嫌だと言いつつ母親の心情も分かるから。あそこまで執拗に撮らないでよ…。
『トウキョウソナタ』は2人の息子と母親、本作は2人の娘と父親。家族の再生までを描いた『トウキョウソナタ』は救済的な着地をしたのに対して、本作は父親が孤立して終わる。娘は2人とも「いなくなった母親」に責任を押し付けているが、批判的に描かれているのは父親という皮肉。
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