宗教的な創世の映像で始まり、
水の流れを基調とした川や海の風景、
高層建築を見上げ空に向かう視線
なんだか、ジャズのECM Recordsのジャケットの静謐さを思わせました。
その静謐さの意味を深く考えたことはなかったのですが、
本作を観て、これらの映像を見ているのは観客なんだけど、実は神の目線ではないか?
それが静謐さの正体と解釈しました。
一方で、世俗的な感情にまみれた生活と、聖なる静謐な映像とのギャップを埋めて作品として成立するキーは何か?
それがタイトルの神の木ではないでしょうか? 木に神が宿るとしたらアニミズムの考えです。
結局、創造主としての神という西洋の思想と、アニミズムが混在するのが世の中であるということが、本作のメッセージと受け取れるなら興味深いです。