こたつむり

ならず者部隊のこたつむりのレビュー・感想・評価

ならず者部隊(1956年製作の映画)
2.5
♪ 混ざってしまえば楽になるだろう
  でも、僕には死ぬまで許せないだろう

『ミクロの決死圏』や『トラ・トラ・トラ!』を仕上げたリチャード・フライシャー監督の作品…ということで鑑賞しましたが…うーん。

物語としては「大地主の主人公は小作人たちに厳しい姿勢を崩さない。しかし、太平洋戦争で徴兵され、同じ釜の飯を食うことによって、彼の内面は次第に変化していく…」という成長譚。

だと思うのですが。が。が。
主人公の心情を描いた場面は少なく、小作人たちとの交流もビールを盗んだ場面程度。それに、それらは全て“過去の情景”として処理されますからね。物語としては“前提”でしかありません。

そうなると、現在が大切なわけで。
「“あること”によって激戦地に飛ばされた主人公。そこにいたのは横暴な指揮官だった…」という展開に「なるほど。この指揮官が引き連れているのが“ならず者部隊”なのだな」なんて期待したのですが。が。がががが。

「小さなトラブルから斥候に出される主人公。日本軍を見つけた彼は難なく任務を果たすのだった。おしまい」という肩透かしの展開に溜息が止まりません。

勿論、これで物語が終わるわけではありませんが、指揮官とその側近以外は“フツーに良い人”たちばかり。どこに“ならず者”の要素があるのでしょうか。それとも、僕は“ならず者”を間違って認識しているのかな。

ならずもの【ならず者】
① 手に負えない者。素行の悪い者。
  ごろつき。無頼漢。放蕩者。
② 生活がままならない者。

えーと。
調べてみましたが、やはり、間違っておらず。
作品への違和感はどんどんと募るばかり。違和感ばかりでイヤンバカン。あー。何を書いているんだー。

まあ、そんなわけで。
1956年の作品なので、現代の価値観で捉えたらダメだと思いますが…それでも見どころが掴めなかったのは事実。ただ、上陸する場面は当時の史料を用いているからなのか、なかなか迫力がありました。そこだけは必見だと思います。
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