ミク

ゲット・オン・ザ・バスのミクのレビュー・感想・評価

ゲット・オン・ザ・バス(1996年製作の映画)
4.0
1995年にネイション・オブ・イスラム(NOI)の指導者ルイス・ファラカンの呼びかけによって約150万人が集まりワシントンDCで行われたデモ行進「ミリオン・マン・マーチ」。デモ参加のため、高速バスに乗り合わせた多種多様な男性たちの物語。

人種差別を受ける同士でも、信仰やイデオロギー、年齢、セクシャルアイデンティティなどの違いがあるのは当たり前。でもその違いを、同士だからこその受容の難しいジレンマ。相乗効果を生む仲間であるべきなのに、身内での排除や偏見が痛々しい。被差別者だからと言って、多面的に見れば自分も差別者であることに気づかされる。

特に、イデオロギーの違いをお互いに理解しあうのって本当に難しいんだなって感じた。最近、カニエ・ウエストがトランプの支持表明して驚愕。思想の自由はあれど、なんだか裏切られたような気持ち。ルイス・ファラカンの思想がどんなものだったのか勉強不足でよくわかりませんが、反ユダヤでヒトラーを賞賛していたという記事を読んで、よりこのデモの背景が気になった。

心が苦しくなる映像とともに流れる音楽のパワーがすごい。カーティスの声に癒され、カーク・フランクリンの声に勇気をもらう。D’Angelo!もちろん、オープニングのマイケルも最高。
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