あるモデルが同僚達に押さえつけられる中、権力者の男に襲われショックで逃げ出すも事故死。検証の結果事故死ではなく他殺と証明されると関係者達が次々と何者かに殺されて・・というジャーロで監督は「今日も僕は殺される」のダリオ・ピアーナ。

ストーリーに繋がりはないものの、原題を見ると同じモデル業界を描いたジャーロ「ドレスの下はからっぽ」の続編的立ち位置の作品（それ故か輸入盤ブルーレイは二作2枚組で収録）。犯人はジャケ写に写る独特なデザインの刃物を使うわけですが「ドレスの下～」同様殺人は一突きで片付ける等案外控えめで、PVの撮影時に登場するキャッチャーみたいなヘルメットを被り世紀末風ハイレグ衣装で踊る様は格好良いのか格好悪いのかよく分かりません。

代わりに目を惹くのがスタイリッシュな映像。衣装はともかく前述のPVやスカーフを頭に巻いたサングラス姿のモデル達が次々と服（と仮面）を脱ぎ下着姿になる序盤、ボディコン姿で踊るディスコにおいて時にスローモーションで「ドレスの下～」以上に艶めかしくグラマラスボディの女性陣を撮っており、スタジオ天井近くの足場を使っての逃走劇では「デモンズ」を彷彿とさせる逆光が美しい。

犯人の片付けられ方はルチオ・フルチ監督の「ザ・リッパー」に似てますが、その正体は意外ではありながら一応伏線はちゃんと張ってある絶妙なものでモデルの姉妹という設定が幻覚を生み出し隙を作ってしまうのも見事。

PV監督が住む廃工場を改造した家をはじめセットやロケーションも絵になるもので、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドにトト、ヒューイ・ルイス＆ザ・ニュースらのヒット曲やロキシー・ミュージック（ブライアン・フェリー）風のお洒落なBGMも作品を彩ってくれます。

特典映像のストーリーボードによる違ったエンディング（刑事の車が建物に突っ込んで犯人を撥ね飛ばす）も映像化されてれば観たかった所。

B級サスペンス
監督：ダリオ・ピアーナ

モデル仲間4人に騙されて、マネージャーのアレックス（ジョヴァンニ・タンベリ）にレイプされたトップモデルのシルヴィア（ジョイア・マリア・スコーラ）。
ディレクターのデヴィッド（フランソワ・エリック・ゲンドロン）は、メラニー（フローレンス・ゲラン）という新しいモデルを探し出し、仕事にとりかかるが、シルヴィアの死が他殺であることが判明してから、あのレイプ事件に関連した人々が次々と殺されてゆく。

モデル仲間4人、酷い！みんなで浴槽に押さえつけてレイプさせるんだもん。しかも、笑いながら。
スローモーションの中、変態親父にレイプされて、泣き叫ぶシルヴィアが痛々しい。可哀相。
犯人の動機も、オチも意外だった。
カンヌ映画祭コマーシャル部門のグランプリ受賞。
また観たいなぁ。DVD化してほしい！

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