【センチメントの季節🍂】
もう今は木下恵介なんて古臭すぎて若いシネフィルは全く観ないんだろうが、こういう慎ましくも哀感タップリな群像劇は観ていて胸を抉られる気持ちになる。出ているキャラクターが皆可哀想で悲痛な思いに陥る。
ま、大島渚なんかはこういうメソメソしたやつを否定するんだろうけど。😡
かつて現代にはない人情味が、この頃にはあった。戦後の日本。あまりにも酷い状況を懸命に生き抜いた庶民のドキュメントであり「人生を貧困によって潰された」若者たちの嘆きが伝わってくる。映画を観てここまで号泣するとは思わなかった。
私が映画を観て死ぬほど泣いたのは本作の他に『街の灯』『関の彌太ッペ』『ぐるりのこと。』『オーバーフェンス』などがあるが、どちらかと言うと『ニューシネマ・パラダイス』的なベタベタ綺麗事を一切排した暗いモノが好きなんだと思う。
心を浄化される、宗教的なまでに達観した作品。こんな凄まじい映画をいま作ろうとしたって絶対ムリだと思う。作り手のレベルが格段に違い過ぎる。