ニクガタナ

ヴィナス戦記のニクガタナのレビュー・感想・評価

ヴィナス戦記(1989年製作の映画)
3.4
安彦良和の漫画原作を本人脚本監督で映画化。ずっと観直したかった作品。「ヴィーナス」で記憶してたら「ヴイナス」戦記だった。人が住めるようになった未来の金星が舞台。バイクのゲームレーサーが戦争に参加してみたって感じで、死ぬ覚悟もないまま侵略軍にケンカ売って戦車を沈めるレース仲間たち。仲間に犠牲が出ると途端に悲嘆に暮れるのが呆れる。特にチームオーナーの爺さん!若い彼らの命を守りたいんなら、彼らが行動起こす前に止めなよと思う。戦争舐めてる地球のチャラい女性記者がいろいろ掻き乱す。末端から指揮官まで思考が幼稚で適当がすぎる。戦争のリアリティをまるで感じない。女性キャラの演出がステレオタイプに古臭い。特にヒロインの優等生キャラにげんなり。アニメーション作品として「アキラ」の翌年公開でこの出来かぁ…。全体的にレイアウトは良かったが、冒頭のモノバイクゲームシーンの作画がスピード感なく下手くそ。掴みに失敗してる。アクションシーンがカットごとに作画の上手い下手の差が著しい。地下街のチェイスシーンは大変よく出来てた。そもそもなんで一輪車?輸送飛行機は複葉のプロペラ機だし。雰囲気でそうデザインしたかっただけ?訳分からん。部分的に実写背景にアニメのバイクと人物を合成する実験的な試みが成されてるが、トラッキングが下手すぎて大失敗。なんか薄っぺらかったなぁと記憶していた理由がハッキリしてスッキリ。スタッフもキャストも今やビックネームがたくさん参加してて、主人公を演じた「少年隊」カッちゃんは下手すぎでお呼びでない。安彦デザインの二枚目キャラで池田秀一が演じるとほぼシャア。劇伴は久石譲が担当だが、らしさが感じられないし盛り上がらない。戦車周りのSEがナウシカとおんなじ音がする。
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