ニクガタナ

オッペンハイマーのニクガタナのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ノーシュート ノーラン
相変わらず撮影できるものは撮影するスタイルで圧倒的な説得力。街一個作っちゃって、なんなら核爆破実験模様もほんとの核爆弾でやろうぜ!って言ったんじゃなかろうかと思うほどの監督の執念と狂気を感じる。ホイテ・ヴァン・ホイテマの撮影賞は疑うべくもない素晴らしい画。弦を刻みまくって焦燥感あふれるルドウィグ・ゴランソンの劇伴も好み。もはや音楽とは呼べない感じの最近のハンス・ジマーの音響効果より全然いい。キャスティングが秀逸で俳優陣がみんな良い。主演のキリアン・マーフィーはもちろん、ロバート・ダウニー・Jrも助演男優賞受賞してんのを知ってながら、誰だか知らないが嫌味な感じ上手いなぁ と思って観てた。狭い会議室での聴聞会のシーンの最後とか、日本への核爆弾投下後の祝賀会とか精神が追い込まれる時の演出が上手い。モノクロとカラーの使い分けの意味を把握せずに観てたが、時間の支配人ノーランらしい時系列いじり。ノーラン作品では珍しく濡れ場あり、学生時代から付き合い続ける共産党員の彼女をフローレンス・ピューだと気付かず観てた。会議室で、男女の関係を問われ、裸になる回想は、演出意図は分かるが笑ってしまった。ここまで赤裸々に描いてこそのこのヒットなのかしら?こんな重厚な作品がヒットしてアカデミー作品賞受賞しちゃうのが良い。それほどアメリカ万歳じゃなし、戦時下で利用され心病む学者という点で、ロン・ハワード監督の「ビューティフル・マインド」を思い出した。あっちの奥さんも強かったが今作でもエミリー・ブラント演じる奥さんの内助の功を強く感じる。トルーマン大統領、目力で分かるゲイリー・オールドマンも少ない出目で印象残し流石。あの泣き虫を二度と呼ぶな。ってなんつー人でなしの大統領。雰囲気似てたアルベルト・アインシュタイン役はだれ?あと贔屓のジョシュ・ハートネットの眼鏡姿も良かったなぁ。眼福。ラミ・マレックが美味しいとこ持っていく。
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