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トイ・ストーリー2のtubure400のレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)
3.0
『トイ・ストーリー3』は映画館で見た思い出があって、なんか、少年の成長についてのセンチメンタルな展開があって、ディズニー映画でこういうの新しいな、と思った覚えがあるけれど、『トイ・ストーリー2』ではまだアンディは無邪気で、まだ子供部屋での生活が続いていくのだろうという感覚があって、そこまで気合いが入ってない感じが良い。

映画にはsense of placeというものがあるらしいけれど、『トイ・ストーリー2』を思う時、場所としてはおもちゃ屋の店主の部屋が思い浮かぶ。あと開店前のおもちゃ屋とか。なんとなくひんやりとしていて、『トイ・ストーリー1』のラストシーンの青空の開放感のようなものがなくて、なんだか全体に暗い感じがする。テーマも『1』より重い。博物館で永遠の命を得る、ということより、いつかアンディに捨てられるという事はわかっていながらもおもちゃであろうとする登場人物の思いに今ひとつ共感出来ない気もする。自分にあらかじめ与えられた役割に対する、センチメンタルな信念に基づいた決断。「お前はおもちゃなんだ」というバズの言葉が、兵士を奮い立たせる上官の言葉のようにも、なんらかの呪いのようにも聴こえる。「お前は○○でしかないんだ」がメッセージの中核というのはある意味前時代的というか、自分がおもちゃであるという事実に耐えられず精神崩壊して、人間の前では命なきものとして振る舞う、という不文律を破り、世界観をめちゃくちゃにする、破天荒なキャラクターが一人くらいいてもいいんじゃないの?みたいな気持ちになった。
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