ピクサー作品9作目にして、長編3作目。
最初の長編作品『トイストーリー』の続編として作られた今作。
1作目やその後の映像作品で培った映像技術を活かして、よりリアルな出来に仕上がっている。1作目の課題だった人間や動物のクオリティは遥かに上がっており、アンディやそのお母さんなど、前作にも登場したキャラクターを見比べてみると一目瞭然だ。これは『ゲーリーじいさんのチェス』で進化を見せた人間のクオリティを活かせていると思う。ちなみにゲーリーじいさんが今作ではおもちゃの修復職人としてカメオ出演しているのも面白い。何よりウッディの修復シーンは誰もが好きなシーンだと思う。
また自然の中や道路など広い風景の描写は『バグズ・ライフ』での進化を活かせているように思えた。
他にも物の質感も格段にリアルになっており、『トイストーリー』の1作目では全てがテカテカで如何にも”CGアニメーション”的だったのが、今作ではテカリのあるものないもの、その物の質感までも再現することに成功している。特にバズの顔の艶消しやジェシーの顔の質感、ブルズアイの布の感じは前作では表現出来なかっただろう。
今回は話の展開もよく出来ていて、前作ではバズとウッディの2人のシーンが多かったが、今回ではレックス、スリンキー、ハム、ポテトヘッドと言った。キャラクターたちの魅力も楽しめるようになっている。
他にも様々な映画のオマージュが多く、如何にもダースベイダーなザーグが「No,I am your father」というシーンは完全に『スターウォーズ 帝国の逆襲』だ。小惑星の中を突っ切って飛ぶシーンや壁からアームのついた目玉のような監視カメラが出てくるシーン、ライトセーバーやTIEファイターのSEなどスターウォーズファンにはたまらない演出も多い。
他にも『2001年 宇宙の旅』の有名な音楽が鳴ったりサイドミラー越しに見えるTレックスのシーンが『ジュラシック・パーク』だったりとクスッとさせるシーンが本当に多い。
他にも「When She Loved Me」やウィージーが歌う「You've Got a Friend in Me」その他、地上波で耳にする有名な劇伴の数々。音楽の面でも名曲が沢山聴ける。
『トイストーリー2』今作はピクサー作品でも傑作といえる。
