浅野公喜

センチネルの浅野公喜のレビュー・感想・評価

センチネル(1977年製作の映画)
3.7
あるアパートに引っ越して来た売れっ子モデルの女性がそこで奇妙な住人達に出逢うオカルトホラー。ジェフ・ゴールドブラムにクリストファー・ウォーケン、トム・べレンジャーに等出演していますがみんなチョイ役という贅沢な作品だったり。

アパートの最上階の窓から引きこもりの神父が外を眺めている設定は母親という違いこそあるものの同時期の「家」を思い出すもの。死んだはずの父親が下着姿で襲って来たりアパートの住人は主人公と神父しかいないと言われたりと現実と幻想が混じっているような感覚を抱いてしまう雰囲気が魅力でじわじわと追い込まれていく様は「ローズマリーの赤ちゃん」にも相通じる所かも。

エンディングはタイトルがネタバレでもある故にある程度想像通りでしたが、前述の父親がドアが動いて出現する様はアングルや影も相俟って不気味ですし、目が割かれ鼻を削がれ顔にひびが入る特殊メイクや現在では倫理的に難しそうなフリークス大集合の終盤はなかなか強烈と充実作でした。

「ロッキー」シリーズで有名なバージェス・メレディス演じる住人が飼ってるハチワレ猫が誕生日会でパーティー帽子を被っているのが地味に笑えます。主演のクリスティナ・レインズが出ているオムニバスホラー「デビルゾーン」もなかなか面白かった記憶が有りお勧めなんですが、こちらはVHSのみなので現在は観るのがちょっと難しいのが残念です。
浅野公喜

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