やかじょ

大いなる休暇のやかじょのレビュー・感想・評価

大いなる休暇(2003年製作の映画)
3.3
観ながら、もしかして観たことある…?と思いつつ、結局最後まで観ても視聴済みだったか分からなかった。
まぁ、途中から大筋のストーリーは予想通りだったしね。
島民が1つの目的のために団結して奮闘するあたりは「ウィスキーと2人の花嫁」に大変よく似ていた。
酒場の雰囲気とか。
とは言え、あちらがウィスキーを飲みたい!という本人たちにとっては大問題でもややほのぼのした問題であったのに対し、こちらは仕事がないから工場を誘致したい、がそのための条件として住んでくれる医者が必要である!という逼迫した状況なので、コメディ的な要素はありつつ、根底には切なさが漂う。

観始めた時は、あまりに的外れなプランすぎて、これは地方の公務員が観光による収入増を目指すも、おもてなしを履き違えて全然間違った方向性のことをやってしまうような悲しい物語では、と思っていたんだけど、勧誘する医者がなんとも純粋で気持ちがいいくらい餌に食いついてくれる。
そして、実際にプランを始めてみれば、島民の機転がかなり効いていてなんとなくうまくいってしまう。
(例えばお金が落ちてる街って好きになっちゃうよね!とかかなり馬鹿げた案でしょ!)

途中それはやりすぎだろうと思うことは多々あったけれど、最後は良心を捨て切れずきちんと向き合うことで結果的にはそれまでの努力が結果を結んだことになる。

何はともあれ、働きたいという欲というか働ける、という状態がいかに恵まれているかということを自分の生活においては忘れがちだけど、やっぱり誰かの役に立ち、自分の働きでお金をもらって生活するというのは人間の尊厳を保つのにとても大切なことなんだと思わされた。