不法移民は幾つか映画化されているものがあるが、大抵は弱者の視点として描かれるのがほとんど。
だが現実は国を脅かすものばかりだから、その取締りの是非も不可避なわけだ。
シェナイとオクウェは不法移民として怯えながら暮らす毎日。
日銭で生計を立てる中で、ホテルで働くオクウェは客室で人間の内臓を発見する。
とても静かであり、尚且つ過酷な現実を切り取ったサスペンスドラマ。
単なる設定と思っていた前職などが実は終盤に置いて意味のあることとなっていく脚本。
オドレイ・トトゥやキウェテル・イジョフォーなど適材適所な役者陣。
いかに不法な行為であろうとも、最後に不法移民を応援しているのはそこまでに至る感情移入が成功しているからだ。