トゥーン

自転車吐息のトゥーンのレビュー・感想・評価

自転車吐息(1990年製作の映画)
4.1
周りが新たなフェーズへ向かう中、自分だけが取り残されていく。すべての夢を手にしたような少年の日々を投げ捨ててまで、先へ進めるのだろうか。妹は自転車も牛乳瓶も捨てて、新たな白線、車道の中央線を行く。そんなくらいなら、死んでやる。俺が俺であり続けられるこの時を見てくれ。「俺」という旗を掲げて、走る。何者にもなれず、みんなみたいに群れの中を歩けないけど、俺を見てくれ。園子温の想いは最後まで変わることなく、手を変え品を変えで、ずっと貫かれた。少年の心を持ち続けた園子温は、現時点で公開日的には最後の作品となるエッシャー通りの赤いポストで、真っすぐに俺を見ろと叫んだし、叫べた。ある意味、良かったのかもな。
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