Fumi

ゴッドファーザーPART IIのFumiのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
5.0
過去視聴/再鑑賞 

こんなに良かったか…完璧。
一作目あってのPart IIだし、しかも3時間半もあると分かっていても個人的には3作で1番好き。一生で定期的にここまで何度も見返してもいいと思える作品は他になかなかない。そしてその時の年齢や状況によって観る視点が変わるのも、新しい発見があるのもすごいところだと感じる。

コルレオーネ家のサーガは、イタリアからアメリカへ、そして父ヴィトから三男マイケルへと引き継がれる。この時代と規模の壮大さはもはや唯一無二であり多くの映画作品の原点と言ってもいいほどだ。一作目のエンターテイメント性と映像作品としての完璧な芸術性を引き継ぎながら、より彼らの歴史と心情、切っても切れない血縁からファミリーとの関わり、心理戦まで、自分の人生にも少なからず重ねながら没入してしまう。ゆったりとエレガントな作品なのに終始目を離すことなくここまで没入させられるのも改めてすごいと思う。それはストーリーの強さはもちろんのこと、登場人物の魅力とそれを彩る美術や街の背景の美しさとその緻密さに他ならない。ヴィト=デニーロとマイケル=パチーノの対比は時代や文化的背景など一切関係のない普遍的な人間性を語ってくれる。
そして3作通して言えるのは「忘れられないワンシーン」の数々や、余韻を残すセリフの数々があまりにも多いことだ…。

父ヴィトーの人情深く慕われ周囲から愛される人間性、三男マイケルの冷徹さと頭のキレの良さ。マイケルがつけつけられるのは昔から変わらず1人孤独であるという自覚。何度観ても、観終わった後に残るこの余韻からはしばらく抜けられそうにない。
難しく語ることなく、ここまで誰にでも響く形で作られたこの作品、やはり完璧だと思う。
Fumi

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