このレビューはネタバレを含みます
これまた3時間20分という尻込みする長さだけど、とても面白かった....。
パート2は、ヴィトーの過去と、ニューヨークを出た後のマイケル、およびコルレオーネファミリーのその後が描かれている。(メインはマイケル)
冒頭では、前作のラスト(部下がマイケルに忠誠を誓うシーン)から始まり、空いた椅子が映し出される。これは正に、支えであった「父の不在」がマイケルにとって大きな影響を与えていること、父の時代が終わり、ファミリーの在り方が変化していく、本作品を象徴するカットなのではないでしょうか!(あってるのかな?)
とにかくファミリー内での裏切りやもめ事が多く、父のようにはいかない、昔のファミリーの姿が崩れていく様子とマイケルへの同情・恐怖が混在して複雑な心境になった。(それが面白かった)
ママに弱音を吐いたり、フレドの裏切りに悲しそうな顔をしたりする一方で、ケイへの暴力、トムへの当たりの強さが見えて、完全には同情できないんだよなあ.....。
兄弟がバラバラになって、夫婦もバラバラになって、ファミリーもバラバラになって、そんな状況で「兄弟が全員座って食卓を囲む」回想や、「ヴィトーが若い頃の幸せな家族」が映し出されてとてもとても胸が苦しかった。
「父に代わりドンになったマイケル」を強調するために、パート1での反復・比較が多く見られるように感じた。
せっかくメモしながら観たから、自分のために記録しておくっち。
①パート1での結婚式とパート2でのガーデンパーティー
外で賑やかなパーティーを行っているシーンと、室内で裏組織としての取引を行っているシーンが、両作品に共通して見られる。
違いとしては、ヴィトーに依頼してくる人は、ゴッドファーザーとして、ファミリーに敬意を持っていたのに対し、マイケルへはファミリーを馬鹿にした議員から利益のための取引を持ちかけられる。
マイケルの「ドン」としての権威が不安定であることを表しているように受け取った。
②パート1での五大マフィア会議と、パート2でのキューバ会議
パート1はヴィトーがマフィアを集め、話し合いを行っていたのに対し、キューバでは、アメリカの企業、資本家(?)たちが集まる会議にマイケルはホテルの事業者として参加。
③パート1での「バルジーニが黒幕だ」とパート2での「ロスが黒幕だ」
特に違いは見られない気がするけど、反復してたから一応メモ
④パート1・パート2でのオレンジ後の殺害
パート1では、「ヴィトーがオレンジを買った後銃撃される」「オレンジを口に入れて孫と遊んでいたところで倒れて死ぬ」という傾向がみられた(意味があるのかは分からなかった)
パート2では、「オレンジを買ったドン・ファヌッチをヴィトーが殺害する」「オレンジを食べるマイケルが、ロスの殺害を命令する」といった形で、やっぱりオレンジが何かしら殺害と関係を持っていることが確定しました。オレンジ出てきたら誰か死ぬぞ!と思ってしまうね。
⑤パート1のラストシーンでの扉閉めと、パート2で子どもと密会していたケイへの扉閉め
パート1でドンとして忠誠を誓われるマイケルと、それを観るケイ、という構図から閉め出されるように扉が閉まるシーンがあった。それに対し、パート2でも、マイケルと別れた後こっそり子どもに会っていたケイに対して、無言で扉を閉める(子どもとの別離、ファミリーとの隔絶?)という形で出てきていた。
あのときのマイケルかなり怖かった。
あと気づいたこと!
・例の有名な音楽、前回も「ドンの部屋じゃなくてイタリアでかかるんだ!」と思ったけれそ、パート2でもヴィトーが復習をしにきた場面でかかっていたので、「コルレオーネ村でかかる音楽」なんだね。