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007/慰めの報酬のRのレビュー・感想・評価

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)
3.6
自宅テレビで友人1人と鑑賞。

殺しのライセンス、「007」の称号を持つ男、ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ「ドリームハウス」)は前作でミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン「メランコリア」)を捕らえるも、裏切り者の手引きにより、逃がしてしまう。
しかし、裏切り者の遺した手がかりから、表ではグリーン・エコロジーを謳ったNPO法人「グリーン・プラネット」の代表者、しかし裏の顔はボリビアでのクーデターを支援する巨大組織の幹部、ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック「グランド・ブダペスト・ホテル」)の存在を知る。

※ネタバレしてます。

「スペクター」発売記念、クレイグ版ボンド第2作!


監督は前作のマーティン・キャンベルから「ワールドウォーZ」のマーク・フォスターへバトンタッチ。

この作品、クレイグボンドの中では評判が低いんだけど、なかなか面白いよなぁ、やっぱ。

シリーズ第2作のこの作品は、前作の続きからスタートするんだけど、初っ端からカーアクション全開で目を見張る。

ミスター・ホワイトを尋問してーの、裏切り者を追うシーンも、宙吊りアクション&逆さ宙吊りでの狙い打ち、うーん、このショットはカッコイイ!!

前作の続きとあって、「カジノ・ロワイヤル」からCIAのフィリックスと仲間だったマティスも続投。

特にマティスは前作の流れからの今作の最終的な結末には感じるものがあった。なんかここだけ香港ノワールものっぽいな。

あと兎角、今作は仲間の「死」が多い。その分、ボンドの背負うものの重さや生きる上では非情極まりない世界だということが観てるこちら側にも改めて感じ取れる作りになっているのではないだろうか。

特に前作のヒロイン、ヴェスパーは登場はしないものの今作のボンドの行動理念にもなっているから、前作の最後を経て、今作でようやくケリがついたのは良かった!!

今作の敵役はマチュー・アマルリック演じるグリーン。前作のル・シッフルがあまりにもパンチのある悪役だったことを考えるとちょっと薄味なのは否めないけど、フランスの演技派俳優マチューの怪演もあってなかなかに薄気味悪いキャラだった。

こいつ、ぜってえ性格悪いよ、陰湿だよって感じさせるぐらいに笑。

あと、終盤の取り乱して斧を振り上げる時にその容貌にはそぐわないくらい声高に叫びながらボンドに向かってきたのが怖かった。あんなに声高いんだなぁ。

そんな訳で、「カジノ・ロワイヤル」と「スカイフォール」の狭間という不憫なポジションでの作品ながらクレイグボンドの成長の橋渡し的作品としてはなかなかに面白く興味深く観れた作品だった。
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