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悪魔を見たのcigaretteのレビュー・感想・評価

悪魔を見た(2010年製作の映画)
4.2
いやいやいや、これは本当に恐い映画だった。
悪と正義…ストーリー自体は、分かりやすいのだが、いかんせん、画面が恐くて、酷くて、グロくて、生々しい。
全体的に、神経を逆撫でされる悪趣味さ。
慈悲の無い残虐な殺人犯の描写が胸糞悪い。
罪も無い女性や、子供が快楽殺人犯の餌食となる様は、映画を途中で断念したくなるほど辛い。

しかし、その悪趣味な絵面に対比するように、感情を一切削ぎ落したような主人公スヒョン(イ・ビョンホン)の凛とした佇まいがあり、この映画を崇高な作品へ押し上げてしまった。

直視できないバイオレンスシーンだらけで、万人にお勧め出来ないけど、困った事に、面白い映画なんです。
グロ耐性ある人には、ぜひオススメします。

しかし、残念なのは、犯人ギョンチョルが殺人の何に快楽をもっているのかが、よくわからないところ。

殺すまでのスリルを楽しんでいるようでも無いし、死体愛好家でもなく、カニバリズムってわけじゃない。
いつ頃から、どんなきっかけで殺人をしはじめたのかも、本編では一切わからない。
ま、犯人像なんてものは、常人には理解不能だからこそ、おぞましさが増長されるわ けで、映画の中で全て描ききる必要はまったくないのだけど、ギョンチョルの心理状態は個人的にとっても気になるところ。

都内に住む私は夜中でも1人でコンビニに出かけたりするのだけど、この映画見てから、ちょっとコワくなっちゃいました。
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