いやいやいや、これは本当に恐い映画だった。
悪と正義…ストーリー自体は、分かりやすいのだが、いかんせん、画面が恐くて、酷くて、グロくて、生々しい。
全体的に、神経を逆撫でされる悪趣味さ。
慈悲の無い残虐な殺人犯の描写が胸糞悪い。
罪も無い女性や、子供が快楽殺人犯の餌食となる様は、映画を途中で断念したくなるほど辛い。
しかし、その悪趣味な絵面に対比するように、感情を一切削ぎ落したような主人公スヒョン(イ・ビョンホン)の凛とした佇まいがあり、この映画を崇高な作品へ押し上げてしまった。
直視できないバイオレンスシーンだらけで、万人にお勧め出来ないけど、困った事に、面白い映画なんです。
グロ耐性ある人には、ぜひオススメします。
しかし、残念なのは、犯人ギョンチョルが殺人の何に快楽をもっているのかが、よくわからないところ。
殺すまでのスリルを楽しんでいるようでも無いし、死体愛好家でもなく、カニバリズムってわけじゃない。
いつ頃から、どんなきっかけで殺人をしはじめたのかも、本編では一切わからない。
ま、犯人像なんてものは、常人には理解不能だからこそ、おぞましさが増長されるわ けで、映画の中で全て描ききる必要はまったくないのだけど、ギョンチョルの心理状態は個人的にとっても気になるところ。
都内に住む私は夜中でも1人でコンビニに出かけたりするのだけど、この映画見てから、ちょっとコワくなっちゃいました。