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復讐するは我にありのmuuumのレビュー・感想・評価

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
3.9
濃厚すぎる物語で、そう簡単には飲み込めない迫力がありました。

良き昭和、そして令和から見れば悪しき昭和もたっぷり詰まった時代感がある映画とも言えると思います。

すばらしき世界→身分帖→佐木隆三ときて、この映画にたどりつきました。

緒形拳さん、歳を重ねてからの印象しかなかったのですが、なんとも精悍で恐ろしく得体の知れない主人公をどっしりと演じていて見応えたっぷりでした。

三國蓮太郎さんは、なんだかとぼけた役でしたが愛嬌ありましたね。

個人的には、清川虹子さん、小川眞由美さん親子がとても良かったです。清川虹子さん、怖い!主人公と同じ香りを漂わせ、外見も含めてモンスター的な怖さがありました。

原作者の佐木隆三さんが、旅館の客で登場していたと知り、戻して観てみましたが、うまい具合にどうでもいい客感がお上手でしたね。

ラスト近くの旅館から、実家の母親ミヤコ蝶々さんが出てくるシーンの転換が、ぞくぞくするくらいカッコ良かったです。

結局のところ、主人公の心根は誰にも本人にも分からず、猟奇的な殺人犯って、一体何なんだろう?と思いました。

タブーと言われるものが満載だったけれど、映画って自由で、どんな表現も許されるものだったはずと改めて思わされました。今って、コンプライアンスやらなんちゃらで、映画もがんじがらめなんだろうな。と改めて思いました。
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