YUKI

復讐するは我にありのYUKIのレビュー・感想・評価

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)
4.0
むせかえるような昭和の湿った空気が画面上を支配していて、
登場人物の行き先は袋小路であるようなことがひと目でわかる。

少年時から持続する親や社会への不信感が自我なき殺人に転嫁するんですが、やはりなぜ殺したいやつを殺さないのか?っていう問いがこの映画を貫くテーマでしょうし、まさに復讐するは我にありということなんでしょうか。
復讐するは我にありという言葉は、「復讐を神に任せる」という意味でして、誤用されがちらしいんですが(私も間違って認識してました)。

こういう殺人を見ると、社会や親への復讐と言いながらも、自分より弱い相手にそれを行う令和以後の「社会」へのテロリズムを思い起こすのですが、
主人公である厳はそういう部類のものなのか、それとも本当に復讐を神に任せたのか、色々と考える余地がある気がします。
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