41歳の春

男はつらいよ 寅次郎恋歌の41歳の春のレビュー・感想・評価

男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)
4.0
71年末公開。事実上72年の正月映画。
よく出来ている。寅のトリックスターたる所以が過不足なく表されており、本シリーズでも珠玉の一本かも。4作目のやっつけ感がなんだったんだと思う。

たまたま岡山にバイに来ていた寅が博のオカンの訃報を聞きつけ葬儀の場に駆け付けるも空気読めずにヒロシ夫婦に叩き出されたが葬儀終ってガックリきてる志村喬を元気づける為にしばらく喬と暮らしてやったがその際フーテン暮らしへのクンロクを地味にカマされてガッツリ凹んで速攻葛飾に帰ってとらやの連中に喬から聞いた地味なクンロクをカマすも話の要領得ないからクンロク聞いてる連中も薄ボンヤリしたリアクションになってご機嫌ナナメになったりその後フラリと寅ヨロシクとらやにやってきた喬ととらやの面々が気まずい会話を交わす中颯爽と現れた寅がコミュ障喬と孫のミツオとの架け橋になってやったりまたマドンナの子供がコミュ障で友達いないのを寅が仲立ちになって友達作ってやったり、
はたまた行った飲み屋でたまたま昔のツレとバッタリ出くわして飲み代奢ってもらったからとらやに連れてきてさくらに余興を強要するなどというロクデナシな振る舞いもカマしたりとなかなかの八面六臂の大活躍。
やはり志村喬が出るとなんか画が持つよね。喬の「寅次郎くん」呼びも風情。

空気読んで自ら身を引くラストも風情。
地味に森川信ラスト回ということもあり、それに相応しい名作かも。劇中の彼の振舞いにちょっとヘタってる感を感じたりもした。
そういうこともあり、男はつらいよ全48作の第一ステージは本作までという気もする。
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