何度か観るうちにどんどん癖になってハマってしまった珍しい作品。これはもう「イルマーレ」に次ぐ大好きな韓国恋愛映画になったかもしれない。うだつが上がらない三流やくざドンチョル(パク・チュンフン)の良い具合にやさぐれた感じとか、就活中だけどずっと不採用続きでヘコんでいるセジン(チョン・ユミ)の普通ぽさとか、もう観る度に「お前らこっち来てイッパイやろうぜ!」と声をかけたくなる様な親近感ぷりが堪らない。ふたりが暮らす場所というのがやっぱり下町で、汚いアパートとか、安そうな食堂とか、どこにでもありそうな日常風景が今が精一杯の暮らしぶりを抜群に煽るんだけど、雨が降る日にふたりが心通わすシーンの泥臭い破壊力にこちらも爽やかな涙でびしょ濡れになった。セクハラて傷ついたセジンのために「仇討ち」に向かったり、面接会場で繰り広げる男気溢れる行動と、実は全然ヘタレではないドンチョルの格好良さもグッとくるし、セジンの夢に登場する満面の笑顔と最後の伏線回収にちょっと泣きそうになった。
15/02/19 再鑑賞