ギャング団の足取りを捜索する警察官が、某国核実験の影響により出現した液体人間の存在を知らされる。円谷英二が特技監督を務めている、東宝の怪奇映画路線。
液体人間とは、身体を液状化（スライム化）させることができる人間のこと。「健常者が液体に触れると、溶解してしまう」という性質にホラー効果を持たせている。またドラマ面では、突然変異体の悲哀を落とし込むという、王道パターンが取られている。
「透明人間」と大同小異とも言える作劇だが、あらゆる面がブラッシュアップされている。とりわけ、キャバレーの女性ダンサーのエロさが倍増しており、シュミーズ姿のヒロイン（白川由美）が地下水路を徘徊する場面が脳裏に焼き付く。
液体人間の見た目が地味なため、ケレンミ溢れる特撮映像は登場しないが、人間が溶解していく様子は、当時としてはトラウマ級と言える。女性の衣服だけを溶かす能力をもつ液体人間なら、なってもイイかなぁ、なんてことを思ってみたり。
