こぅ

二重の鍵のこぅのレビュー・感想・評価

二重の鍵(1959年製作の映画)
4.3
「美を殺したんだ」

クロード・シャブロル監督の初カラー作品で、初の【サスペンス】。


冒頭、陽気な曲と共に窓から下着姿で庭師や牛乳配達員に愛想と色気を振り撒くメイドのジュリー(ベルナデット・ラフォン)。
鍵穴から覗き見する一家のムッツリエロ息子、リシャール(アンドレ・ジョスラン)。
旦那、父のアンリ(ジャック・ダクミーヌ)は、隣人の若いレダ(アントネッラ・ルアルディ)と不倫中。
アンリを愛している妻のテレーズ(マドレーヌ・ロバンソン)には、不倫がバレバレ状況。
リダと日本で知り合って、追いかけて来た下品なラズロは、娘のエリザベートと恋人⁈だが、母に猛反対され、不仲。
父、アンリの味方で、レダとの不倫を応援している⁈
アンリが妻に向かって言う罵りがヒドい‼︎
「鏡で見てみろ‼︎酷い年増だ‼︎」
泣き崩れる妻、テレーズ。

街で見せびらかすように不倫デートする2人、、


中々強烈なドロドロ(でもドライ)事情は、流石おフランス‼︎

序盤でジャンルも主役も特定されない。

食事前の集まりで、メイドのジュリーが、レダの家に用で行くと、、
終盤突然くる‼︎

なんて短い死体ショットなんだ、、

それを告げた時の俯瞰ショット含めた短いカット割が、カッコ良い。

ある人物には、犯人の確信があった。
そして、犯人へと向かう、、

犯人自白で、長めの回想シークエンスがクライマックス。
リダは、日本帰りという事で、ふすまのある和式の家に住んでいた。
そこも見どころ。


伏線も無いし、意外な犯人 なのだが、、

本作は、ありふれた一般のサスペンス を期待すると肩透かしかも。
そんな 安易なセオリー で括れないかのよう。

その理由は、観た者が感じ取れば良い。


監督は、当人に何が【一番の天罰】になるのか良く分かっているな。

ラスト、警察に向かって歩く犯人の上方固定ロングショット、短いEDロールも個性的。

ヒロインのレダより、メイドのジュリー(ジャケ写下方)の方が、 セクシー担当 で魅力的だった(鮮烈デヴュー作)。

故J=P・ベルモンド(ベベル)の下品でチャラいラズロは、ハマり役だった。

カメラワーク(恐らくほぼ手持ちカメラ撮影)が巧みで、全編一番の見どころと言っても良い(後で知った名撮影は、アンリ・ドカエ)。
こぅ

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