★1992年に続き2回目の鑑賞★
約1年4カ月前にスティーヴン・キングの原作を読んでいるが、キング自身の経験からインスピレーションを受けた内容には、作家として作品を生み出す苦労が十二分に描かれており、且つ、身動きできない作家の精神的恐怖感もじっくり段階的に描かれ、キング作品の中でも傑作の部類に入るのだが、ほぼ忠実に映画化された本作品も素晴らしい出来。
作品の評価を高める最も大きい要因を占めているのが、アカデミー主演女優賞を受賞したキャシー・ベイツ。
ごく普通のぽっちゃり系のおばさんが徐々に精神的不安定感を露呈していく様だけでなく、ときおり見せる、憧れの作家からの優しい言葉に喜ぶ仕草などは純粋にチャーミングでもあり、緩急の見せ方が絶妙。
ヒッチコックの「裏窓」を彷彿とさせる、身動きができない主人公が被る恐怖というシチュエーションはありがちだが、本作はその中に作家としての葛藤も良く描かれており(十分ではないかもしれないが、原作を最近読んでいるので、心情を憶測しながら観ることができた)、単なるスリラー/ホラー作品ではないヒューマン的な掘り下げも加味され、ホラー嫌いの私でも全く問題なく楽しめる良作。