mitakosama

若親分喧嘩状のmitakosamaのレビュー・感想・評価

若親分喧嘩状(1966年製作の映画)
3.0
スカパーにて。若親分シリーズ3作目ですって。
いきなり上海での立ち回りから始まる。華やかじゃのう。
陸軍に囲われたモンゴルのお姫様(江波杏子)を助けだし、日本のお偉いさんに匿われる。どうも陸軍の強硬派がアジア内の混乱の為にモンゴルの姫を利用しようとしたのを阻んだもよう。

で、雷蔵は横浜の組の客分となり、敵組織と抗争に巻き込まれる。
敵ヤクザが、アヘンの売買と会社乗っ取りで悪どく商売するってのが、現代ヤクザっぽい。

物語が2つ同時進行で進む。モンゴル姫奪還を狙う陸軍強硬派・横浜の商人ヤクザとの抗争劇。

この敵組織ふたつが手を組んで強大となった敵と戦うかと思うじゃん。
違う!モンゴルの件は話の半ばで収束しちゃう。え〜勿体ない。
結局後半はただのヤクザの抗争劇となり、殴り込みでおわる。
じゃあモンゴルの姫云々の話が蛇足になるじゃん!ヤクザ+はぐれ陸軍将校軍と戦う仁侠道ヤクザという話ならどんなに面白かったことか。
アヘンを日本にバラ撒こうとしていたの外人も途中でフェードアウトしてるし。

横浜のヤクザはトランプを扱うキャラクターで、一応ポーカーで賭ける場面もある。大正を舞台にトランプという、かなり攻めたキャラ設定だ。

あと、陸軍に単身乗り込んだ海軍の制服姿の雷蔵が、上着を脱ぎ彫物を入れた上半身裸に軍帽を被るという、なんともセクシーな出で立ちになるのが見もの。

最後の殴り込みのシーンで、大正時代の社会鍋の様子が描かれてて興味深い。あの時代のブラスバンドの喧騒をバックに雪中を着流しで歩く雷蔵は確かに格好良い。
mitakosama

mitakosama