子供の頃(70年代後半から80年代にかけて)、夏休みになると私たち一家は母方の実家で過ごした。そこはまるで絵に描いたような見事な田舎。いったい隣の家がどこだかわからないくらいなのだ。
その藁葺きのぽつんと一軒家は野山に囲まれ、あとは畑や田んぼ、池や川しかない。さらに今では考えられないが、夜に川原に行くと無数の蛍が飛んでいるのだ。それはまるで光の洪水のようだった。
よって私は昭和30年代を生きたことがない世代ではあるけど「この映画の舞台をほぼリアルに知っている」ひとりだと自負している。最初に鑑賞したとき、この〝田舎のおばあちゃんち〟を真っ先に思い出させてくれたからだ。
これは真にすぐれた映画である。ほんとうに心に染みる。この映画の国民的人気はこれからも変わることはないだろう。そして、それを確信させてくれるのが本作でよかったと思う。
1988年/春 ナビオ阪急三劇場(北野劇場・梅田劇場・梅田スカラ座)のいずれか
[ドイツ語吹替音声+日本語CC字幕]2025/01/02 Netflix (DE)
※これ以外にもLDなどで複数回鑑賞済み