どらどら

太陽を盗んだ男のどらどらのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
5.0
- この街はもうとっくに死んでいる!死んでしまっているものを殺して何の罪になるっていうんだ!

なんて自由な映画なんだろう
1人のしがない中学教師が
原爆をつくり
国家を相手取り
あらゆる要求を- 極めて空虚なそれを -飲ませる
そして、全てを破壊する

あらゆる虚構のうえに成り立っている戦後社会
罪を負うべきものが免罪され
無実のものに死がもたらされる
私たちが守っているこの社会とは、何なのだろうか
あらゆる欺瞞を
そして何より自分自身の空虚も
全て爆破する

私たちは、何だってできるのである
____________________________________
多くのクリエーターが生涯ベストワンにあげる本作
狂いきったチューニングで走り続けるこの映画は、とんでもなく自由で、映画が何だってできることを、そして私たちも何だってできることをスクリーンに焼き付けている
こんなゴリゴリの天皇批判も東京の街中でやりまくるカーチェイスもそもそも原爆を作るっていうアイデアも
今の映画ではまずできないことでは?
そしてしかもそれを沢田研二主演でこのメジャー感で撮り切る
信じられない

はじめのバスジャックからずっと、映画が見据えるものの正体は変わらない
菅原文太のある種のかっこよさの意味も相対化しながら、映画は爆速で進み続ける

かっこよすぎる〜
どらどら

どらどら