たなぺー

メメントのたなぺーのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.4
クリストファーノーラン作品の中でもトップレベルで難解と言われてた本作、納得である
殺人現場を撮ったポラロイド写真がどんどん色褪せていく逆再生からから始まる物語
数分しか記憶を保てない主人公が妻を殺した犯人を殺すまでの時間を遡った先に
衝撃の結末がー‥というやつです
でも本当に衝撃でした

東野圭吾の著作『悪意』が鑑賞後には過る
記憶の有無は別として、人間は時として自分の都合のいいよう事実を作り変えてしまう
あの本と同じように、主人公は最悪の語り手だったなと
あの後も何人ジョン・Gを探して始末するんだろうか
彼はジョン・Gに妻殺しの責任を押し付けたまま生きていくんだろうか
レニーの持つ特性を操って自らの利を得たあいつらにも同じことが言える
「メメント」という題名が観終わったあとだと皮肉じみてるように感じる

オッペンハイマー同様、ノーランの持つカラーとモノクロの定義が本当に興味深いのよね
満足度の高い映画だった
たなぺー

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