脚本の構成がものすごい。
短時間しか記憶できない男という設定のためにストーリーの展開の仕方が特殊だがそう展開しなければ意味がないようにしっかりと詰められている。多少混乱したり複雑なシーンはあるものの映像自体印象的な場面で区切られておりどことどこが繋がるかもすぐにわかる。話や登場人物の設定が難解で全てが劇中に解説されるわけではないために見終わって完全にスッキリはしないが、鑑賞者がまるで主人公と同じかのように謎を解いていく構成は飽きずに見ることができる。また、最愛の人物が主人公の主軸になっている点や、違う時間軸がつなぎ合わされる構成などはインセプションやダンケルクにも用いられるノーラン監督の片鱗が見て取れた。主演のガイ・ピアースがうまくはまっており、復讐にかられダメになっているがカッコいい男をしっかりやりきっているところがいい。モーテルやポラロイドカメラなどの時代を感じされる背景、アイテムも良かった。マネしてメモ取りたくなっちゃう映画。
