名倉

メメントの名倉のネタバレレビュー・内容・結末

メメント(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


こういう理解不能な観客置いてけぼりの映画は大好きです。

今作は、カラー場面と白黒場面が交互に移り変わり、カラーはEDからOPに、白黒はOPからEDへと向かっていきます。変わった時系列の演出により、冒頭30分くらいは一体何がおこっているのかさっぱりついていけません。


ミステリー要素満載でシリアスな展開が続きますが、時折り記憶がリセットされるレナードの境遇に笑える場面があります。例えば、レナードが麻薬密売人に追われるシーン。危険なカーチェイスで逃げるレナードの記憶は途中でリセットされてしまいます。ハンドルを握るレナードは、凄まじい形相の密売人が運転する車を見て、「なんだ?今俺は奴を追っているのか?」と錯覚します。それが間違いと気付き、「違う!逆だ!!」と焦るレナードは、ドタバタコメディの主人公を見ている様な面白さがあります。他にもその密売人から逃れ、風呂場に武器の酒瓶と共に立て篭ってから記憶が飛び、そこから呑気にシャワーを浴び始めたり、唾を入れられた酒を目の当たりにしながら、リセットされた記憶によりそのお酒を飲んでしまったり、緩急のあるレナードのキャラクターに凄く愛着が湧きました。


主人公と同じ様に混乱しながら、曖昧な記憶を頼りに奔走する今作は他の作品よりも主人公に感情移入ができ、尚且つ最後にはその主人公から観客側は裏切られるというドンデン返し展開、一体どんな脳みそしてるんでしょうこの監督は...
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