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メメントのclimnicのネタバレレビュー・内容・結末

メメント(2000年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

インターステラー、メメントと現時点でノーラン2作をみてなんとなくこの監督の映画の基盤となるテーマが時間に関係しているんだなと感じられた。(cmなんかでテネットをみていることも然り)

監督基準で映画をチョイスする事が全くない自分としては初めて監督の名前を意識したかもしれない

ホラー映画が主な白石晃士監督作品も好きではあるが、監督ありきというより「コワすぎシリーズ」ありきという感じなので監督の作風に注目したのはクリストファー・ノーランが初めて

今作はサスペンス性抜群といった感じで非常に難しかったが、記憶というテーマにおいて、やはり時間は外せない重要な要素であり
それを抜かりなく丁寧に物語として扱った為、必然的に難しくなってしまった、感がある

正直な所、映画を見終えた後も
頭で整理しようとするので精一杯で
主人公の心情や最終的なそれぞれの思惑など、人物に対して情を寄せる余裕が全然出来ず、あとからネットの記事などで話を改めるまでひたすら頭を抱えるだけの映画となってしまった。

インターステラーの感想で最初に感じた事でもあるが、やはり頭の良い人が羨ましく思えてしまう。
というよりもはやこんな話を考えられる監督が羨ましい。(厳密にはメメントに関しては弟の原作があるが)

今作において、記憶が主なテーマではあるが、私が個人的に感じたもう一つのテーマがあり
それは 孤独 である

人はそれぞれ他には代われない自身の生い立ちや生き方、環境がある。
どんなに他人と過ごそうとも、それが均一化され交わる、ということはないので、誰しも多少なりとも感じるものがまさしく孤独感である。

今作はその孤独感を煮詰めて凝縮させたような作品だった。

まず前提として、自身に好意的に接してくれた人々は
結局の所誰一人としてシンプルな善意などなかった。
金目当て、邪魔な人物の殺人、宿代の割増
そして何より、自分自身さえも自らを騙そうとする。

作風に囚われて視聴中は感じ辛いかもしれないが、全てを明かされた時のレナードの心境たるや…

まあそれも忘れてしまうのだが。
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