このレビューはネタバレを含みます
自宅で。
2008年のイギリスの作品。
監督は長編初監督のスティーヴ・ペンデラック。
あらすじ
くじ引きによりフランス、カンヌのビーチへの旅を引き当てたMr.ビーン(ローワン・アトキンソン「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」)。しかし、カンヌからビーチへの道中様々なトラブルを巻き起こす!
Netflixにて。本当は劇場版一作目を観たかったんだけど、間違えてこっちをチョイス。
今や懐かしさすらこみ上げてくるローワンさんアトキンソン主演のコメディだが、久しぶりに観てみるとやはりウェルメイドでクスッと笑える楽しい作品でした。
要はイギリス版「変なおじさん」と言ったところか。もう、そこにいるだけで変な存在で彼が繰り出す顔芸や所作の一つ一つが面白い。
劇中では、所々会話はするものの、ほとんどゴニョゴニョ言ってて何言ってるかわからない変質者ギリギリのラインを攻めている。でも、良い意味でも悪い意味でも人の注目を集めているところが凄い。
特に中盤、ビーンのあるきっかけで父親と離れ離れになってしまった少年ステファン(マックス・ボルドリー「ジュラシック・クロコダイル 怒りのデス・アイランド」)とストリートで音楽に乗せたアドリブ芸を披露するシーンがあるんだけど、様々なジャンルの音楽に絶妙な振り付けを切り替えてつけて、面白いだけでなく単純に芸達者だなぁと思った。
そんな今作では概ねのプロットとして、そんな少年ステファンと道中で知り合うムービースターを目指す女優のサビーヌ(エマ・ドゥ・コーヌ「砂の城」)と共にカンヌを目指すことになるんだけど、基本はビーンによる様々なトラブル=シチュエーションコントの詰め合わせ。
特に個人的に面白かったのがレストランで牡蠣と手長海老のランチ?を食べるシーンがあるんだけど、全然口に合わなくて隣のマダムのカバンにゲェしちゃうシーン。まぁ汚らしさはあるんだけど、馬鹿馬鹿しくもあって、思わず笑ってしまった。
そんな道中でトラブルによって、ほとんどの荷物やお金などを無くしていくんだけど、唯一手放さなかった旅路の一部始終を撮ったハンディカメラが終盤のカンヌのコンテスト会場である映画館での大見せ場でちゃんと伏線となって回収されるのは見事。
その前に上映されていた、なんとグリーン・ゴブリンことウィレム・デフォー(「マクマホン・ファイル」)演じる映画監督の作品の芸術性だけ高くて他人には全然理解不能で退屈だったのも皮肉が効いてて面白かった。
最後はようやくたどり着いたビーチでみんなで歌を歌って大団円オチも見事で、一作目に続いて、やはり劇場版としては完成度が高くて、ビーン恐るべしな一作。