mh

つばさのmhのレビュー・感想・評価

つばさ(1927年製作の映画)
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サイレントの戦争もので飛行機もので反戦映画。そしてはえある第一回アカデミー賞受賞作。
大ヒットの原因は、リンドバーグの太平洋横断飛行の成功も絡んでいるとのこと。
その後、おびただしい数作られることになる戦争映画の定番パターンをだいたい押さえているのが素直にすごい。
恋のライバルが親友になりその友が死ぬとか、お色気シーンとか、高嶺の花より身近な幼なじみとか、95年前の映画とは思えないプロットの数々だった。
空戦の迫力もすごかった。のちの「地獄の天使(1930)」のほうがそりゃすごいけど、それに勝るとも劣らない。
シャボン玉のコメディリリーフよくわからんかった。あそこだけサイレント映画のコメディ映画の文法だった。
よかったらこれをもっていってとおずおず差し出す自撮り写真とか、流星を見たらキスしての伏線回収とか、ヒロイン周りはだいたい決まっていた。
阻塞気球の下にゴンドラが吊るされてて、そこにひとが乗っている。気球が落とされてパラシュートで脱出にくだりは、あちこちの映画見るけどなんかあんの?
ドイツの飛行機を落としたらと思ったら、死んだと思ってた親友が実は捕虜になってて飛行機盗んで逃げてきたその機だったとか、けっこう複雑なことをサイレントでやってる。
悪いのは戦争とはっきり言い切っているのも好感持てた。
反戦のていでプロパガンダやヘイトをいまだにぶっこんでる映画製作者たちは反省してほしい。
こんなベタベタなエンタメ映画にアカデミー賞やってるのも、時代を感じるね。
面白かった!
mh

mh