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スローターハウス5のcyberiancorgiのレビュー・感想・評価

スローターハウス5(1972年製作の映画)
3.0
時代が進んだり戻ったりするけど散漫じゃない。あるモチーフや動作に関連づけられてシーンは時代をまたぐ。だから集中力は途切れないし脈絡を見失わない。
映画とは時間を自由に切り貼りできるもの、ビリーは人生を映画的な技法を持って体験していたよう。ならばトラルファマドア星のシーンはもしかしたらトゥルーマンショーの原型なのかも知れない。あとホーリーモーターズのオスカーくんも思い出したな〜。映画そのものを体現する男。
でも見方を変えれば、あらゆる時代のビリーに戦争の時の記憶がつきまとっていたともとれる。戦争以前の過去がないのもそのせいかも。
それは、戦争の記憶は過去にはならない、とゆうシンプルなテーマ性に繋がる。
彼にとって未来ってたぶん、すでに分かってる記憶を辿るようなことで、それってつまり未来も過去でしかない。なんか、未来がないってイヤだなー、って思った。
色々と小難しい感じとスケールの大きさと映画らしい気持ち良さのある映画なのに、イヤだなー、って感想が出たのが恥ずい。
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