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マトリックス レボリューションズの010101010101010のレビュー・感想・評価

2.5
too much...
アクション(戦闘シーン)が見たいわけでも、ヒューマンドラマ(愛の物語)が見たいわけでもなく、AIとかメタバース、ポストヒューマンとその倫理について考察する材料にでもなれば、と思って見始めたのだが、いろいろと盛りすぎで疲れちゃった。
三部作の中でも、二作目、三作目と終盤に向かうにつれ、いかにも「ハリウッド」な作りがどんどん濃く匂ってしまって、やっぱりこういう方程式のもとで描くこと自体、限界を迎えてるんじゃないか、と思ってしまった。

『リローデッド』の時から、劇画版「風の谷のナウシカ」を想起する場面があった。(言うまでもなく、そのはるか手前で『攻殻機動隊』を思い出すのだが)。
あらゆることが〜「救世主」による世界のリセットまでもが〜、実は、はじめからシステムとして決まっていたということ。そして、そのプログラム=役割を逸脱してゆくという自由を選択するネオ。
これから先の世界がどうなってゆくのかは分からない。それ自体もまたシステムに取り込まれてゆくのかもしれない。それでも…、というところが、ナウシカっぽい。


あと、余談ではあるが、この映画、戦士たちの「特攻」を手放しで美しきものとして描く=扇動礼賛しているようにも見えて、正直、微妙な気持ちになってしまった。
例え、全面的に「こちら側」が正しいとしても、戦地に立つ者たちを「美しく」描いてしまうのは、いけないんじゃないか。
ロシア・ウクライナ戦争を見ていて、「あなたは、自国が攻めてこられた時、祖国や大切な誰かのために銃を持って闘うか?」という問いについて考えさせられもするのだが、成人男性は強制的に戦争に協力させられる…、そこに選択の余地はないというのは、間違っていると思う。そこには抵抗感を覚えてしまうのだよ。むろん、とても難しい問題なのだが…。