このレビューはネタバレを含みます
話の構成と哲学が素晴らしい
ネオは種の保存としての救世主から、"マトリックス"とザイオンの二つの世界における救世主になりましたというお話
平和、自由、愛のような"虚構"ではなく自分自身の"選択"でスミスに立ち向かうネオは、スミスというどこまでいっても"プログラム"の存在には理解できなかっただろう
スミスを含む、プログラムは第二作でも散々強調されていたように何らかの目的(order)なしには存在意義というアイデンティティが失われ消去されてしまう。だから、スミスにとってネオが立ち塞がる意味がわからない
ラストシーンでも、創造主みたいな人が「プログラム」だからといって解放したり、"マトリックス"が実際に攻撃をやめたのは、やはりプログラムだからで、約束を反故にするという"選択"はない
ラストシーンほんとに大好き
予言として、「始まりがあれば終わりがあるのだよアンダーソン君」(厳密には違うかも)と言った次の瞬間、おそらく(もしかしたらネオはそれよりも前に予知していた?)スミスが崩壊する未来が見えて、スミスは罠だと疑ったのだろう。自分の死が見えて急に焦るスミスの演技好きよ
ネオがマトリックスに「失敗しない」と言ったのは、すでにこの未来が選択によって見えていた可能性もある。
そして「ネオを取り込んでしまった」ことによって、マトリックスがスミスという"バグ"を捕捉し、そのバグに対して自壊コードをぶち込む結末はまじで予想できなかった…笑笑
スミスの増殖は全て同じコピーだから(単一増殖?みたいなやつ)、自壊コードを一つにぶち込むと、全てが自壊するっていうの結末はほんとすごいと思う
そもそも、スミス一人に手こずってたから、無限にいるスミス相手に力技で勝てるわけないのよね
第二作みたいに、虫ケラみたいに寄ってくるスミスをボコボコにするみたいな展開じゃなくてまじで良かった
最後の結末とその哲学、そしてそれを特に第二作品で散りばめて伏線回収していく本作品は賛否両論だろうけど自分は大好きでした
人とAIの違いは、自分自身の「選択」により行動できるか否か
人間は自分で道を切り開けられるんだという監督のメッセージを強く感じた
二作目と三作目の途中までうーーん?って感じだったけど、ラストで全てを持っていってくれた
まじで、トレインがよく分からん
今年の衝撃度合いでいうとインターステラーと同格かもしらん