かにかま

ミストのかにかまのネタバレレビュー・内容・結末

ミスト(2007年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

【やること全てが裏目に……の究極形】
胸糞ホラー、と言われることが多く、確かに胸糞ではあるのだれけども、じゃあホラーかと言われるとあんまりそんな気はしない。
後味の悪さを反芻してみたのだが、結局のところ「物語の中の主人公ムーブ」が尽くマイナスな結果を招いているところにあるのではないだろうか。それは正義感や善行と読み替えてもいいかもしれない。
基本的に物語のお約束で、いち早く真実に気づく主人公(たち)と物分りの悪い周囲の人物との諍いがあった場合、大抵読み手をイライラさせる"悪者"はその後に痛い目を見る。普通はここに一種の爽快感があるわけだけれども、この作品で痛い目を見るのは物語の中で一歩踏み込んだ行動をする主人公サイドなわけである。だから、読み手のイライラや期待を全部先回りして潰されていく描写が続くから、胸糞なのかな……と。
でもよーく考えると、現実世界でも基本トラブルが起きた時、あっちこっち引っ掻き回してドツボにハマるのはままあることなので、胸糞の根源は意外と実生活の近いところにあって、それを創作物でぶっ飛ばしたいのにそれができないというのがこの作品の特徴的なところなのではないでしょうか。
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