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ミストのtsuraのネタバレレビュー・内容・結末

ミスト(2007年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます


いつになく激しい嵐…翌朝からたちこめる静かなしかし不穏な足音。霧がケモノを招き霧がヒトの本性を曝け出す。
主人公デヴィッドは買い出しの為、息子と隣人とで地元のスーパーへ向かった先で起きる衝撃がこの映画の軸。

街を覆う濃霧。

不安に駆られ人間はやがて醜悪な人間性を見せ出すわけだがこんな不穏なシチュエーションの中で主人公の様に冷静にいくらの人が自分をコントロール出来るのだろうか。

人間同士の醜い関係性と相反する霧の中から顔を出すグロテスクなクリーチャーとの戦い。

更に人間性を醜く引き立てるカルト信者のカーモディ…そしてその言葉にすがる様になっていく人間達…このカーモディに描かれるある種のスピリチュアリズム、過度な神話調の語り草、人間の弱みをつく心理、そしてまた別の顔を併せ持ったかのようなヒロイズムとも形容できる狂気。
この人間が居るかいないかでこのスーパーに取り残された人間達は傀儡みたく踊るっているようで。

衝撃でしかないあのラストもオチが分かるから悲劇的だけど…あんな事起きたら…あんな事態を招いたとしても不自然ではないとどうしても思ってしまう。

グロテスクなクリーチャーは勿論怖いけど…人間も充分こわい。

それにしてもフランク・ダラボン監督は映画の作りが丁寧だなぁ笑

過小評価されてると思うけど…ジムキャリーの「マジェスティック」なんかも実は良い作品だと私は思うのだけどね笑
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