19世紀後半のイギリス。ウィリアム4世の王位継承は、亡き弟の娘である十代の少女ヴィクトリアとなる。18歳になれば、彼女は成人と見做されるが、権力を欲する母親のケント公爵夫人とその愛人のコンロイは、摂政政治を認めろとヴィクトリアに要求し続けていた。
ドイツから来た青年アルバートはヴィクトリアの叔父であるベルギー国王の甥で、ヴィクトリアの夫候補として送り込まれた男だった。政治家たちもヴィクトリアへの接近を図り、首相のメルバーンがヴィクトリアの信頼を勝ち取った。
1837年、ウィリアム4世は亡くなり、ヴィクトリアは女王となった。母親を遠ざけ、メルバーンに頼るヴィクトリア。政権が交代するとメルバーンは失脚したが、ヴィクトリアは友としてメルバーンを庇い続けた。その行動を議会や市民から非難されたヴィクトリアは、いつも励ましの手紙をくれるアルバートとの結婚を決意し、ドイツから呼び寄せた。
忙しい女王が得られる結婚の休暇は3日間だった。アルバートの叔父のベルギー国王は、さっそく彼を利用しようと手紙を送った。しかし従わないアルバート。アルバートは妻を愛し、誠実に尽くす男だったのだ。アルバートの愛の強さに気付いたヴィクトリアは9人の子を儲け、アルバートの死後も貞淑な妻として一生を送る。