Toshiko

父の祈りをのToshikoのレビュー・感想・評価

父の祈りを(1993年製作の映画)
4.1
原題は"In the Name of Father". 今回、ひとりでダニエルの作品を観る企画をやっていて、最近の「Phantom Thread」以外に5本の作品を視聴した。その中で今一番好みだったのはこれ。
友人とともにパブ爆破事件の冤罪に問われ、どういうわけか父親や叔母も巻き込まれて投獄されたジェリー・コンロン。酷い話だが、30年の刑期の半分でようやく再審への道が開ける。
父親の息子に対する愛情の深さに打たれる。ああこういうふうに子どもを受け止めればいいのか。何もかもすっぽり抱きとって飲み込めばいいのか。
父親は無念にも獄中で命を落とすが、その弔いのシーン、囚人たちの思いが想像できる場面が心に沁みる。
明るい話題はほとんどなく終始陰鬱なのだが、ずっと飽きずに観られた。いい映画。
Toshiko

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