バレンタイン

イン・アメリカ/三つの小さな願いごとのバレンタインのレビュー・感想・評価

4.8
最高得点の『SOMEWHERE』は個人的な思い入れが大きいから、純粋に映画として一番好きなのはこの『インアメリカ』になるのかなあ。

自分の中にある面白い映画の要素を全て満たしてる。奇跡みたいな映画だって思ってる。

ボルジャー姉妹の演技が素晴らしいのは勿論なんだけど、ちょっとした端役にもきちんとした役者を立てていて物語全体に説得力がある。

使われている音楽も良かった。

肝心の主題は、どうやって悲しみを乗り越えるか。みたいな部分だと思うんだけど、その答えを明確に描いてないのが良いんだと思う。

子供を亡くした悲しみ。それは、新しい子供が出来たら癒やされるのか。親しい友人の死を経て乗り越えるか。それとも単純に時間が癒やしてくれるのか。

実際はそのどれか一つではなく、人は色んな出来事を通して悲しみを乗り越えていくんだと思う。

ただひとつ明確に描いているのが家族の営みというか絆みたいな部分。普遍的でシンプルなことなんだけど本当に大切なこと。それが胸に響いた。

それと、語り手であるお姉ちゃん視点での物語。親が悲しみを乗り越えることで、子供として親を見守る立場からの解放みたいな部分。その対比もよく練られていたと思う。

家族の大切さ。当たり前にある日常の大切さ。そういう事に気付かさせてくれる自分にとって大切な映画。
バレンタイン

バレンタイン