おぎこ

ドッグヴィルのおぎこのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
4.5
人間心理の醜さをじっくりと描いた傑作。とにかくキャラクターが魅力的で、徐々に現れる田舎社会の醜い本性が多様である。特にトムの無自覚な悪意、押し付けがましさは全編を通して気分の悪いものであるし、妻と関係が悪いのに何故か7人も子供がいるチャックの内面的な弱さもあるシーンで回収されることになる。
ナレーションでの説明が多いところは気になるが、複雑なテーマを孕む一作なので、過剰な説明に感じることはなかった。特に最終章での展開はナレーションの補足がかなり活きている。
セットがない独特な撮影も、おぞましいことが行われている中で街の人間の無関心を効果的に演出するなど視覚的に楽しめる要素となっている。
おぎこ

おぎこ