くろいひと

ドッグヴィルのくろいひとのレビュー・感想・評価

ドッグヴィル(2003年製作の映画)
4.1
演劇の稽古場のような、最低限の置き道具と白線のみのセットのなかで繰り広げられる実験的な光景。
ニコール・キッドマンの受難には目を背けたくなるが、圧倒的な熱量が全編を覆っている。

社会のなかに隠された人々の欲望や偽善を白日のもとに曝けだすとともに、なによりも許すことの傲慢、そして権力がえがかれている。
このうえなく逆説的でひねくれたかたちの思考実験ではあるものの、きわめて倫理的な映画であることもたしか。

DOGVILLEはGOODWILL(善意)の裏側をえがく。
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